・マツ科ツガ属
・英名:Western hemlock
・学名:Tsuga heterophylla:
・原産地:米国、カナダ
・ベイトガの木材性質とレッドリスト
・マツ科トガサワラ属英名:Douglas-fir
・学名:Pseudotsuga menziesii
・別名オレゴンパインともいう。一般にピーラーと呼ばれるのは米マツの中で目の細かいものを言うが、米マツを指す場合もある。
・原産地:米国
・SprucePineFir
・原産地:米国、カナダ
木材業界ではエスピーエフと呼びSPFと書く。しかしSPFという単一の樹種はない。マツ科でトウヒ属のスプルース類(Spruce)、マツ属のパイン類(Pine)、モミ属のファー類(Fir)の頭文字をとって総称した20以上の樹種からなるグループのこと。このグループの木材は性質や目もよく似ているため、同じ扱いで取引されている。日本では価格が比較的安いため、ホームセンターなどでも販売されていて、DIY用にも利用されてきた。 ツバーフオーの規格( ディメンションランバー )で生産されているため、面取りやフレナーもかかっているため、取り扱いし易い。一方で曲がり・ねじれ・反り・割れなどの欠点もある。また湿気やシロアリに弱い木材なので屋外利用やウッドデッキには不向きである。 材色は多くは心材辺材共白色~黄白色。
カナダ産と米国産では含まれる樹種に若干の異なりがある。
カナディアン産SPFはエンゲルマンスプルース(Picea engelmannii)、ロッジポールパイン(Pinus. contorta)、ホワイトスプルース(Picea glauca)、アルパインファー(Abies lasiocarpa)を主体にブラックスプルース(Picea mariana)、バルサムファー(Abies balsamia)、ジャックパイン(Pinus bankusiana)などで構成されている。
米国産SPFはエンゲルマンスプルース、ロッジポールパイン、シトカスプルース、(Picea sitchensis)が主体にジャックパイン、バルサムファー、イースタンスプルース等がある。
最近ては SPF材でクラフトを製作する人も出てきているが、精密な加工をするのであれば、それぞれの樹種の性格の違いが出てくるので、注意が必要。
・マツ科 マツ属
・学名:Pinus sylvestris
・英名:Scots pine、Norway pine、Sylvester Pine・原産地:ヨーロッパ
・和名:シルベスター松、スコッチ・パイン、ノルウェイファー、ポーランドパイン、ヨーロッパアカマツなどと呼ばれているが、市場名はレッドウッド(Red wood)あるいはオウシュウアカマツ(欧州赤松)である。
・オウシュウアカマツの木材性質とレッドリスト
・マツ科マツ属
・学名:Pinus radiata
・英名:Radiata pine
・原産地:米国
・ラジエタパインの木材性質とレッドリスト
木材業界ではニュージーマツと呼ばれ、最近ではチリマツとも呼ばれている。これはニュージランドあるいはチリから輸入されたからである。原産地は米国の木である。米国のカリフオルニア州のモントレー郡およびサンタクルツとサンタローザ島、さら にメキシコのバハカリフオルエアで、アメリカではモントレーバイン(Monterey pine)と呼ばれるが、用材になることはほとんどない。通常樹高30m。直径100~200cm
世界各地に植林されたが、日本ではニュージランドが有名でニュージランド材として輸入されている。最近ではチリーからも大量に輸入されて、チリーマツなどと呼ばれている。
日本に輸入された、植林木は成長がよいため日本のマツ類では想像できないほど年輪幅が広く、また節が大きいため、市場での評価は高いものではなかった。
辺材は白色~帯緑黄色。心材は淡褐色~紫褐色。肌目は精。やや軽軟材。気乾比重は0.45~0.58であるが、髄に近いところはより低く、0.35ぐらいとなる。中心部から離れた処では、マツ類らしい年輪になっている。心材の保存性は接地しなければよいが、あまり耐久性がある木ははいえない。節は多いが、節のない部分は容易である。仕上がり面はよい。木理はほぼ通直。カビはつきやすく、土木用材などでは商品として販売されているものでもカビがついている。
用途としては土木用の矢板、杭が主で一般建築、家具、建具、床板、バルブ、芯材、バーテイクルポード、繊維板などがある。保存処理をして屋外に使うこともある。日本での評価は低いがニュージーランドでは、品質のよい材は合板用に使われている。また日本の建材メーカーでもこの木を植林し、積極的に利用しているところもある。
・マツ科トウヒ属の常緑針葉樹。
・学名:Picea abies
・原産地:ヨーロッパ
・和名オウシュウトウヒ (欧州唐檜)
・別名:ホワイトウッド、ドイツトウヒ、ヨーロッパトウヒ、ヨーロッパスプルース 、ノルウエイスプルースなど
・オウシュウトウヒの木材性質とレッドリスト
最近ではなくてはならない木材となってきた。ホワイトウッドというのは商業名でレッドウッドに対して名付けられたもの。以前ではオウシュウトウヒと呼ばれていた。
ヨーロッパロシア及びヨーロッパ全域に広く分布する。欧州ではレッドウッドと並んで最もポピュラーな木でスウェーデン、フィンランド、オーストリアなどの主要林業樹種の一つである。大陸では樹高30~50m、直径60~100cmに達するがスカンジナビア半島のものはあまり大きくない。輸入されている木材は人工林を伐採したもので、環境破壊のリスクは少ない。
心材は黄褐色、辺材は白色である。木理はほぼ通直で肌目も緻密で光沢を持つ。、節は小さい。木質はやや軽軟で加工性がよく、乾燥による収縮も小さい上、狂いも少ない。気乾比重は 0.41~0.47 程度。しかし 耐朽性は小さいので屋外には利用できない、室内での利用でも通気性には十分な配慮が必要である。
用途としては集成材管柱等、ラミナ材として広く用いられている。
建築材、内装材、フローリング、家具、木工材など。音響性能が優れていることから、ヴァイオリンの表板やピアノの響板などの楽器用にも使われる。ヨーロッパではクリスマスツリーとしてもよく使われる。
スウェーデンやフィンランド、オーストリアでは、森林管理行政は機能しており、違法伐採のリスクはほとんど無いが、ラトビアなどバルト海諸国やロシア産の木材も調達されており、これらの地域の木材には違法伐採のリスクがある。生物種としての希少性については、IUCNの「「レッドリスク」では「低リスク(LR/LC)」と評価されており、絶滅危惧リスクは無い。
日本人は太古から甕を生活に利用してきたが、杉の樽や桶の技術が確立されてからは、日本独特商品となり産業界や風俗習慣に大きな革命をもたらした。江戸時代にはその成果が十分に発揮され、他の国々よりはるかに清潔でエコロジカルな国であった。
・ヒノキ科ヒノキ属
・学名:Chamaecyparis obtusa
・英名:Japanese cypress
・原産地:日本
・国産ヒノキの木材性質とレッドリスト
本州岩手県以南、四国、九州に分布する常緑高木。日本の人工林で杉に次いで多い。木曽ヒノキ(長野)を筆頭に吉野ヒノキ(奈良)、尾鷲(三重)、紀州ヒノキ(和歌山)、天竜ヒノキ(静岡)、美作ヒノキ(岡山)などの産地材が有名。通常樹高30~40m。直径は50~150cm。大きなものは樹高50m,直径2mに達するものもある。
材を火興しなどで発火させたので、火の木といわれ名前の由来との俗説があるが、正しくない。スギと比べて生長が遅いため、乱伐とともに近畿地方周辺からヒノキの天然林は失われ遠く木曽地方などの奥地から伐採されるようになった。桧は世界の針葉樹の中でも第一級で年月を経ると強くなる驚くべき性質がある。伐採されてから200-300年までの間は、圧縮強さ、剛性の数値が少しずつ増加し20-30%も増す。その後緩やかに下降するが1000年経っても、まだ伐採時の強度以上を保持している。しかし、衝撃値は300年までの間に30%低下するが、その後はほぼ一定である。法隆寺が1400年も存在している事に驚かされるが、材料に桧を利用していることと無関係ではないだろう。
心材は淡黄褐色・淡紅色、辺材は淡黄白色。気乾比重は0.30~0.38(平均値)~0.54で、やや軽軟である。肌目が精で、木理は通直である。仕上がると、特有の芳香と光沢を放つ。心材の耐朽性が高く、湿気にも強い。加工性は容易、狂も少ない、また乾燥は容易。用途は極めて広汎で高品質な材料として使われてきた、古くは、宮殿や神社仏閣の建築材、仏像などの彫刻材として、現在でも社寺建築、磨丸太などの建築、ウッドデッキ、屋外景観構築物、風呂桶、家具、木型、 土木・園芸資材、船舶用、曲物、桶、蓄電池のセパレーター、ツキ板、名刺、卓球のラケット、樹皮は縄・屋根葺。枝葉から香油をとる。